たまにギリギリを楽しむトムさん
トムさんの体は戦っているらしく、調子が良さそうだったり、悪そうだったり、波があるように見える。ご主人が帰ってくると、調子がどんどんあがるように見えた。好きな人が傍にいてくれるというのは、病人に大きな影響力があるのだなと感じた。
ご主人の座布団に座って出迎えたトムさんは、座布団からおろされてしまい、文句を言っていた。私が立った隙に私の座布団を占領していて、私が「あっ」という顔をすると目を細めて満足そうだった。
ゆで卵を作っていたら、鍋からコトコト音が出て、トムさんがガバッと起き上がった。キョロ、キョロ、と音を探した。コンロの鍋だと知ると、ふたたび眠った。