朝から毛づくろい
その頃。おふたりはまだ寝てる
金環日食中のトムさん。世間は騒いでいても、トムさんにとってはいつもの一日のはじまりにすぎない。
不審な音を聞いて警戒するトムさん。
「不要なバイクなどございませんかぁ」の放送なのだけれど。
家を安全に守れたので、毛づくろいをはじめた。
その頃。おふたりはぐっすり寝ていた。
朝からすっきりしたトムさんは、テクテクと歩けるようになった。でも、たくさん歩くと疲れるようですぐに腰を下ろす。調子の良いトムさんは、寝室までやってきて高台のごはん場を眺めていたが、上れないことを悟ると、高台を背に休憩をとった。そして、体力が回復するとリビングに行ってごはんをせがんだ。
ごはんを作るのに手間がかかっていると、後ろから文句を言われた。結構、力強い声で。文句を言えるのも、それだけの体力があるからなんだよね。
人の場合、手が不自由になっても、なるべく自分で食べた方がごはんが美味しいと感じるらしいけれど、トムさんはシリンジで食べさせてもらうほうが好きな気がする。特別感がごはんを美味しくさせるのだろう。フジコやルパンがじっとその様子を眺めてたり、ルパンが邪魔しに来るしね。でもほんじつは、なるべくお皿から食べてもらった。残した分だけシリンジであげた。